終わらない相続。下ろせない預金

みなさん、こんにちは。

今回は「終わらない相続。下ろせない預金」と題して、相続手続きを開始したものの、相続人同士がもめてしまって、いつまで経っても終わらない相続について、もめやすいケースにはどんなものがあって、事前に防ぐ方法はないのかということについてお話ししたいと思います。

うちは大丈夫・・・は危険

相続が始まると避けて通れないのが遺産分割協議(遺産の分け方についての話し合い)です。

遺産分割協議は原則相続人の全員参加で、遺産分割の内容をまとめていく必要があります。

しかしながら相続というのは、人生の中でも最も大きなお金が動くタイミングでもありますので、私情が絡んだりすると、お互いの折り合いがつかず、中には親族同士で裁判所で争うことになったということも珍しくはありません。

よく、うちは大した財産がないから大丈夫だとか、家族同士仲がいいから、お金のことで争うなんて考えられないとおっしゃる方もいらっしゃいますが、遺産争いの多くが5000万円以下の家庭で起こっています。

この事実からすると、少ない金額だからこそもめやすい、今は家族仲が良くても相続の時には状況が変わっているかもしれないと予測して、準備をした方が良さそうです。

相続手続きの進め方

ではここで、遺言書がある場合とない場合の相続手続きの違いについてみてみましょう。

遺言書を書いている方の割合は亡くなる方のおよそ10%~15%です。

そして遺言書があれば、遺言内容にしたがって遺産を分けることになりますので、相続人が全員集合して話し合う必要はありません。遺言内容の確認後、すぐに不動産の名義変更や預貯金の解約手続きに入ることができます。

一方、遺言書がない場合は相続人全員での遺産分割協議が必要になります。

そこで障害となるのは相続人の中に疎遠になっている人がいる場合や、会ったこともない人がいる場合です。

連絡がつかないからと言って、その方を除いて遺産分割協議を行っても協議自体が無効になり、金融機関でも解約手続きには応じてくれません。

そのため、戸籍謄本などを収集して住所を特定し、本人に連絡が取れる状態になるには早くても1か月はかかります。

そして、ようやく見つけ出した相続人も参加して行った遺産分割協議がすんなりまとまればいいのですが、まとまらない場合は家庭裁判所に場所を移すことになります。

この家庭裁判所で行われる手続きが調停・審判と呼ばれるものです。調停や審判に移行するのは相続全体のおよそ1%~2%です。

遺産分割調停になった例

これから説明するのは、実際に遺産分割でもめてしまって、家庭裁判所に調停として持ち込まれた事件です。

亡くなったのは3人の子どもを持つ父親で、長男が父親名義の土地に家を建てて住んでいるケースです。

相続財産はこの2000万円の土地の他に預貯金が1000万円あります。

3人の相続人で法定相続分通りに分けるとすると、1人1000万円ずつとなりますが、2000万円の土地の上に住んでいる長男とすれば、土地を売るわけにもいかず、そのまま住み続けるには代償金を支払わなければなりません。

また、建物を除いた1000万円の預貯金のみを分割したとしても、法定相続分で分けた場合の金額にはとても足りず、次男と三男は納得ができません。

この結果、兄弟だけの話し合いではいつまで経ってもまとまらず、家庭裁判所での調停へと発展しました。それに加え兄弟仲も最悪の状態となってしまいました。

その他、遺産分割で揉めやすいケースとしては、被相続人と同居していた一人が財産管理もしていて、他の相続人が財産の開示を求めても明らかにしないような場合、被相続人の介護を長年行ってきた相続人が遺産の取り分について、大半を受け取ってもおかしくないはずだと全く譲らない場合などがあります。

争いの種を除く遺言書

被相続人の立場からすると、生前に自分がコツコツと築き上げてきた財産がまさか家族仲を引き裂く原因になるとは思ってもいないことでしょう。

遺産争いで揉めてしまうと、相続手続き自体が長期間となり、預貯金は凍結されたままいつまで経っても引き出すことができません。

このような事態となるのを防ぎ、相続人の負担を減らすことができるのが、生前対策の一つである遺言書です。

遺言書など大げさなことはしたくないというお気持ちもあるかと思いますが、自分の財産に対しては自分が最後まで責任を持つという意味からも財産の承継先を指定する遺言書を作成するようお勧めします。

自筆証書遺言の保管制度がスタート

2020年7月10日から法務局での自筆証書遺言の保管制度がスタートします。

これまで自筆証書遺言は手軽で費用がかからないメリットがありましたが、自宅の保管場所を忘れてしまったり、せっかく書いた遺言書も家族に見つけてもらえなかったり、遺言内容を改ざんされる恐れのあることがデメリットでした。

今回、この自筆証書遺言のメリットは残したまま、デメリットを解消する方策として、自筆証書遺言の保管制度が開始されます。

これによって、遺言書がより身近なものとなりましたので、残されたご家族が幸せに暮らすためにも、遺言書のご準備をぜひご検討ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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