たかが戸籍されど戸籍

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今回は相続手続きで必ず準備しなければならない「戸籍」について解説します。

戸籍は何のために必要?

そもそも戸籍は何のために必要なのでしょうか。

それは、一言で言うと「相続人を確定するため」になります。

身近な人が亡くなって相続が発生すると、被相続人(亡くなった人)の所有していた財産や権利は相続人が引き継ぐことになります。

基本的には、相続人全員の同意がなければ被相続人の財産に手を付けることはできません。

そのため、誰が相続人なのかを明確にする必要があり、戸籍によって亡くなった人と相続人の続柄を確認する訳です。

遺言書がない場合の遺産分割は相続人全員で行わなければ後で無効になりますし、遺言書がない場合にも遺言内容によっては本来、遺産をもらえるはずだった相続人から遺留分を請求されることも想定して、誰が相続人なのかは最低限確認しておく必要があります。

戸籍を見て初めて分かること

誰が相続人になるのかは、家族構成によって異なります。

被相続人の配偶者は必ず相続人ですが、配偶者以外は子どもまたは両親、祖父母あるいは兄弟姉妹、孫や、甥や姪などさまざまです。

例えば、被相続人と一緒に暮らしていた妻や子どもが「相続人は自分たち以外にはいない」と思い込んでいても、戸籍を確認してみると被相続人の先妻との子や認知している子がいて思いがけず相続人が増えることがあります。

また、反対に「自分は相続人だ」と思っていても、亡くなった父親は母親の再婚相手で養子縁組されていなければ、相続人にはなりません。

これらは、戸籍を見て初めて分かることです。

戸籍は直前のものだけでいいの?

被相続人の死亡時点の戸籍は、死亡したときに本籍のあった役所で取得できます。

しかし、この死亡時点の戸籍だけでは相続人を特定することはほとんどできません。最低限、出生から死亡までの期間の戸籍が必要になります。

上記イラストの場合、出生時には両親と同じ戸籍に記録されていますが、婚姻して新しく戸籍が編製されています。

その後の引っ越しに伴い、本籍も変更したため、3つめの戸籍が作られました。

そして、平成17年に戸籍がコンピューター化され、現在の様式の戸籍が編製されています。

このように、一人の方の出生から死亡までの戸籍を揃えようとすると、何部にもなることが通常です。

また、戸籍は本籍のある役所および本籍を置いていた役所で取得しなければならず、転籍があって複数の都道府県や市に本籍を置いていた場合は、一か所の役所で出生から死亡までの一連の戸籍を揃えることはできず、本籍のあったそれぞれの役所に請求しなければなりません。

新戸籍には情報が移されない

戸籍は結婚や転籍、改製によって編製されますので、編製の度ごとにそれを遡って取得しないと、出生から死亡までの戸籍を全て揃えることはできません。

また、最新の戸籍に相続人の情報が全て記載されるのであれば、わざわざ過去の戸籍を揃える必要はありませんが、婚姻によって新たな戸籍を編製した場合、前の戸籍に記載されていた両親や兄弟姉妹の情報は新しい戸籍には記載されません。

そのため、正確に相続人を把握するため、被相続人の出生から死亡までの戸籍を揃える必要がある分けです。

戸籍収集が不十分だとどうなる?

では、戸籍収集が不十分なままで相続手続きが行われた場合、どのようなことが起きるのか、考えてみたいと思います。

戸籍収集が不十分だということは、相続人の確認作業が未完であることと同じで、本来は相続人全員での同意が必要であるにもかかわらず、一部の相続人の同意を得ないまま、相続手続きが行われることになります。

例えば、相続人から預金の解約を申し出された金融機関が、相続人の言うことを信じて預金を解約したとします。

もし、その後に被相続人が認知した子がいることが分かった場合、勝手に預金を解約したとして大きなトラブルになる可能性があります。

しかも、相続人だけのトラブルでは収まらず、金融機関に対しても十分な確認を欠いたとして損害賠償を請求されることも考えられます。

相続人の中には、「新たな相続人が出てきたら、それはその時にまた話し合えばいいじゃないか」と考える方もいらっしゃいますが、このような考えは大変危険だということを認識しておく必要があるでしょう。

戸籍収集は相続手続きの中でも大変手間がかかります。それは、ただ集めれば良いというものでなく、誰が相続人になるのか集めた戸籍から正確に読み解くことも必要になるからです。

また、相続人が被相続人より先に死亡していて、子どもに代襲している場合には、先に死亡している相続人についても出生から死亡までの戸籍を揃えなければなりません。

以上、今回は「たかが戸籍されど戸籍」と題して、戸籍による相続人確定の重要性について解説しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇‍♀️

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いろいろあるけどベストな相続とは?

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ベストな相続とは

遺産相続では、残された家族がどのような生活をしていくのか、家族の生活設計を考慮することが大切です。

相続税がかからない場合でも、家族の居住場所や生活資金を確保しなければなりません。

相続財産に自宅がある場合には、これからも自宅に住み続けるのか、売却して現金にするのか、相続人で分けるのか、さまざまな選択が可能です。

では、どのような相続方法を取るのが最適なのか、例を上げて考えてみましょう。

【例】田中さん(仮名)の場合

田中さんは自宅を所有していて、妻と二人暮らしをしていました。お子さんは長男と長女がいますが、どちらも結婚して独立しています。

数年前より病気を患っていた田中さんは、長い闘病生活の末、お亡くなりになりました。

今回の相続では、遺産は自宅のほかにはほとんどありません。

遺言書を残していなかったため、田中さんの奥さんと二人のお子さんで、どのように相続するかの話になりました。

相続財産のほとんどが自宅などの不動産の場合、分割できず、相続人全員が納得することも難しくなります。

相続の考え方はそれぞれ異なりますので、まずはご家族で話し合って各々の事情を勘案して判断することが重要です。

では、ここからは相続のいくつかのパターンで、どのようなメリットとデメリットがあるのか確認していきます。

自宅を妻が相続する

自宅を妻が相続する場合のメリットは、自宅を取得する資金が必要ないということと、住み慣れた環境で継続して生活できるため、精神的な負担が少ないことにあります。

一方デメリットは、高齢で一人暮らしが難しくなったときに介護する人が必要になること、将来施設などに入所しようとする場合に自宅を売却して入所資金を捻出しようとしても、認知症が進んでいたりすれば自宅を売却できないことがあります。

このように自宅を妻が相続する場合は、妻の負担を考えて住み慣れた自宅に住み続けることが最適なように思えますが、健康状態が悪化して一人暮らしが厳しくなったときのことも考えておく必要があります。

自宅を売却して、施設に入所する

自宅を一旦、妻が相続して売却し、そのお金で介護施設に入所する方法です。

介護施設への入所により、生活環境が安定しますので、離れて暮らす子どもにとっても安心ができます。

ただし、妻にとっては住み慣れた家を手放さなければならない精神的な負担が生じます。

また、施設への入所後の生活資金についても、どこから捻出するのか、どのように支援していくのかを計画的に考える必要があります。

自宅を貸し出して、施設へ入る

相続する自宅の立地条件が良ければ、自宅を相続して賃貸に出すことも考えられます。

そして、家賃によってご自分の施設の利用料を賄います。

ただし、賃貸物件とした場合には自宅の管理費用や修繕費用、突然の退居などのリスクも考えておかなければなりません。

家族信託を利用する

妻が自宅を相続してそのまま住み続け、将来認知症が進んだことを考えて、自宅の管理などは子どもにあらかじめ託しておく方法です。

妻が自宅を相続して、そのまま住み続ける点では、最初に例を上げた相続方法と同じですが、最初の例では妻の認知症が進んだ場合に、介護施設への入所資金として自宅を売却しようとしてもできないというデメリットがありました。

しかし、妻と子どもが家族信託契約を結んでおけば、妻が認知症となった場合にも、自宅の売却処分などは子どもがすることができます。

家族信託で自宅の名義を子どもに変更して、妻が元気な間は自宅での生活を続け、健康状態が悪化して施設への入所が必要になれば、子どもが自宅を売却して、その売却代金を施設の費用に充てるという対応が可能です。

配偶者居住権の利用

2020年4月以降から配偶者居住権という新しい権利が認められることになります。

配偶者居住権とは自宅を「所有権」と「居住権」に分けて分割するものです。

例えば、自宅の価値が2000万円の場合、自宅に住み続けられる権利である「居住権」1000万円を妻が取得し、2人の子どもは自宅の所有者として「所有権」を500万円ずつ所有します。

これまでの相続法の下では妻が自宅を所有した場合、子どもには代償金を支払ったり、自宅を現金にして分割しなければなりませんでした。

しかし、配偶者居住権によって長男と長女は自宅の所有権を取得することで、法定相続分の財産を取得することができ、妻も自宅を手放すことなく、住み慣れた家に住み続けることができます。

以上、今回は例を上げてベストな相続をするにはどのような方法があるのか解説しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇‍♀️

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相続は遺言の確認から

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遺言書の有無の確認

相続が発生して最初に行うことは遺言書が残されているかどうかの確認です。

遺言書の作成件数は亡くなる方の10人に1人の割合です。

年々その割合も増えていますので、遺言書なんて書いてないだろうと思い込むことは危険です。

遺言書の存在を知らされていなかったとしても、亡くなった方が大切なものを保管していた場所などを調べて、遺言書が残されていないか必ず確認するようにしてください。

遺言書にはいくつかの種類があります。遺言内容をすべて自書する「自筆証書遺言」、公証役場で公証人が作成する「公正証書遺言」、また遺言内容は秘密にしたまま遺言の存在だけを公証役場に証明してもらう「秘密証書遺言」の3つです。

公正証書遺言の確認

遺言書を公正証書遺言として残している場合は公証役場に原本が保管されています。

相続人または相続人の代理人であれば、全国の公証役場で遺言書の有無の確認ができます。

公証役場での遺言検索には、死亡届や戸籍謄本などの死亡を証明する書類、相続関係が分かる戸籍謄本、手続きをする人の本人確認書類が必要になります。

自筆証書遺言の確認

一方、自筆証書遺言の場合、家族の誰にも遺言書の保管場所を知らされていないときは、保管されている可能性のある場所を探す必要があります。

自宅ならタンスや引き出し、金庫、仏壇、本棚などが保管されやすい場所です。

また、生前に取り引きしていた金融機関の貸金庫に預けていることも考えらえます。

その他には取り引きのあった信託銀行や友人・知人、付き合いのある専門家に預けていることも考えられます。

自筆証書遺言の保管制度

これまで自筆証書遺言については、せっかく書いていたのに見つけられないといったことや、遺産分割が終わって何年も経過してから見つかって、相続トラブルの種になることがありました。

こうしたリスクを解消するため、2020年の7月から法務局で自筆証書遺言を保管する制度が始まります。そのため、制度開始以降は法務局でも自筆証書遺言が保管されている可能性があります。

また、法務局で保管された自筆証書遺言については以降で説明する検認が不要です。

この制度を利用した場合、公正証書遺言と同様に全国の法務局で遺言書の有無の確認をすることができます。

遺言書が見つかったら

自筆証書遺言が見つかったら、封のしてあるものは開封してはいけません。

開封をしていない状態で家庭裁判所に持って行って、検認を受けなければなりません。

検認とは相続人立会いの下、遺言書を開封し、遺言の内容、日付や署名、どのような紙で書かれているかなどを確認して、それ以降に遺言の変造や偽造ができないようにするための手続きです。

検認済みの遺言書には検認済証明書が発行されます。

検認はあくまで亡くなった方の遺言書が確かに存在するということを明らかにするもので、内容が適切かどうかの判断をするものではありません。

そのため、家庭裁判所から検認済みの証明書を添付された遺言書であっても内容によっては無効になることがあります。

遺言書が法的な効力を持つためには、正式な書式や書き方があります。自分で書く遺言が不安だという方は、公証役場で作成する公正証書遺言を検討すると良いでしょう。

遺言執行者が指定されている場合

遺言執行者とは、遺言に書かれた内容を実現するために必要な手続きをする人のことです。

遺言に「妻へ自宅を、長男に預金を相続させる」と書かれていても実際に不動産登記の変更や預金の名義変更手続きを行う人がいないと、遺言した意味がありません。

そこで、遺言書の思いを確実なものとするため、信頼のできる人を遺言執行者として指定しておく訳です。

遺言の内容は絶対もの?

遺言書がある場合の遺産の分け方については、遺言の内容が優先されます。

ただし、内容によってはもう少しうまく分ければ平等になるとか、相続税を減らせる場合もあります。

このような場合、相続人全員の合意があれば遺言とは違う遺産の分け方をすることも可能です。

しかし、相続人の一人でも反対者がいるときは遺言内容に従わないといけません。

また、全ての財産を特定の人に渡す内容の遺言がされているときは他の相続人から遺留分を請求されることがあります。

遺留分とは相続人が持つ最低限の遺産を取得する権利のことで、被相続人の配偶者や子ども、両親などが権利を有しています。被相続人の兄弟には遺留分はありません。

遺留分が請求されたときは、最低限の遺産を渡すか、それに代わる金銭を支払わなければなりません。

以上、今回は相続は遺言の確認からというテーマで解説しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇‍♀️

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相続手続きの順序

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相続手続きの順序

相続手続きを進める上で重要なことは、全体を捉えて、どのような順番で一つ一つの手続きを行っていくかということです。

相続放棄を検討しているのであれば、3か月以内に相続するかどうかの結論を出す必要がありますし、遺産を引き継ぐのであれば相続税が課されるのかどうかを確認して、納税の対象になるなら10ヵ月以内に申告しなければなりません。

このように「何を」「いつまでに」という全体の順序を把握して、優先すべき手続きから済ませていくことがスムーズな相続を行うポイントになります。

それでは、ここからは一般的な相続にはどのような手続きがあるのかを順序に従って見ていきます。

遺言書の確認

相続が発生したら、まずは遺言書の有無を確認しましょう。

遺言書がある場合の遺産分割は遺言で指定された方法が優先されます。

遺言書があるのかどうか分からない場合、公正証書遺言であれば公証役場で遺言の有無を確認できます。

また、自筆証書遺言は自宅の金庫や貴重品の保管場所などを探す必要があります。

そして、自宅の金庫などに保管していた自筆証書遺言が見つかった場合は、すぐに開封せず、家庭裁判所で検認を受けなければなりません。

相続人の確認

遺言書がない場合の遺産分割の話し合いは相続人全員で行わなければなりません。

そのため、誰が相続人なのかを調べる必要があります。

特に亡くなった方に離婚歴や再婚歴がある場合は詳しく調べないと、相続人を見落としてしまいます。

相続人を一人でも欠いた遺産分割協議は無効になります。

出生からの戸籍謄本を収集して丁寧に、血縁関係を辿って相続人を確定するようにしてください。

相続財産の確認

相続財産には現金や預貯金などの金融資産、土地や建物などの不動産、自動車や宝石などの動産のほか、借金や住宅ローンなどのマイナス財産も含まれます。

資産価値のあるものと債務が混在する場合、債務の方が多ければ相続放棄を検討する必要があります。

相続税の対象なのかどうかを確認するにも遺産の総額を知る必要があります。

また、遺産分割が終わった後に新たに遺産が見つかった場合は、あらためて遺産分割の話し合いをしなければならなくなりますので、漏れのないように相続財産の調査を行なってください。

遺産を引き継ぐか、放棄するかを決定する

相続財産が全て明らかになったら、遺産を引き継ぐかどうかを決定します。

相続放棄を選択される場合は、3か月以内という期限があります。

相続放棄は相続人各自が相続するかどうかを判断して、放棄する場合は家庭裁判所に申述します。

また、債務が多い場合でも遺産が先祖代々引き継いできた財産なら、短絡的に相続放棄するのではなく、慎重な判断が求められることがあります。

遺産分割協議

相続人と相続財産が分かって、財産を引き継ぐことにした場合、次に遺産の分け方についての話し合いを行います。

遺言書がある場合は、遺言内容に従います。

遺言書がない場合は、相続人全員での話し合いとなります。

そして、遺産分割の合意が出来たら、合意内容を記した書面(遺産分割協議書)を作成します。

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での調停や審判など、第三者を介した手続きに移行します。

相続財産の分割・名義変更

遺言書の内容または遺産分割協議で合意した内容に従って、遺産を分割します。

預貯金なら名義変更や解約、不動産なら変更登記手続きなどを行います。

土地の相続登記が義務化されます

これまで、土地の相続登記は義務でなかったため、前の所有者のままで放っておくケースが多く、手が付けられなくなった所有者不明の土地は社会問題にもなっています。

そのため、所有者の分からない土地がこれ以上増えないように、2020年以降に相続登記が義務化されることになりました。違反者には罰金を科すことも検討されています。

相続税の申告・納税

相続税の申告納税の期限は亡くなってから10ヵ月以内です。

一見、余裕があるようですが、相続人や相続財産を調べたり、遺産分割の話し合い、必要書類の収集などを行っていると10ヵ月はすぐに経過します。

相続税は全ての方が支払いの対象になるものではありません。

基礎控除と各種の控除制度によって、申告の要不要が変わってきます。

基礎控除は相続人の数によって増減しますので、ここでも早い段階で正確に相続人を調査するということが重要になるわけです。

以上が、大まかな相続手続きの順序になります。

何事も最初が肝心で、最初に相続全体の知識をインプットしておくことで、失敗がなくなります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇‍♀️

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書いててよかった遺言書

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こどもがいない夫婦の場合

今回は「書いててよかった遺言書」と題して、子どものいない夫婦の相続で、遺言書があったことにより、相続手続きがスムーズに運んだお話です。

その夫婦は子どもには恵まれませんでしたが、夫婦仲も良く、長い人生を共に過ごしてきました。

夫婦でコツコツと貯めた貯金残高も2千万円ほどあります。

ところが、ある日のこと、夫が急に体調を崩して倒れ、その後に懸命な看病を行いましたが帰らぬ人となってしまいました。

夫には疎遠になっている兄と、仲の良くない妹がいます。

普段、会う機会はなかったのですが、夫の告別式には参列していました。

そこで、夫の妻は遺産分割のことについて2人に話を持ち掛けられました。

夫の兄と妹が言うには、「あなた達夫婦には、子どもがいなかったから私達に相続権があるはずだ。きちんと分けてもらいます。」とのことです。

確かに通常であれば、子どもがいない場合、配偶者の他に両親が相続人となり、両親が亡くなっていれば兄弟が相続人となります。

そのため、兄弟仲が悪かったり、疎遠になっている人が相続人になる場合、遺産分割協議が難航したり、渡したくもない人に夫の遺産が渡ることになります。

書いててよかった遺言書

しかし、今回のケースでは、亡くなった夫は残された妻のために遺言書を作成していました。

しかも遺言内容は「全ての財産を妻に相続させる」というものです。

全ての財産を相続させる内容の遺言には一つリスクがあります。

それは他の相続人から「遺留分」を請求されてしまうと、最低限の財産を渡すか、代償金を渡さなければならないということです。

「遺留分」は相続人が持つ最低限の遺産を受け取る権利のことで、その相続人が相続欠格者か相続廃除されたものでない限り、請求に応じなければなりません。

ただし、亡くなった夫は知っていました。

兄弟に「遺留分」がないことを。

遺留分が請求できるのは配偶者や子、父母などの直系尊属と規定されています。兄弟には遺留分を請求する権利はないのです。

そのため、いくら夫の兄や妹が遺産を渡すように要求してきても、遺言に記載された通り、妻に全ての財産を渡すことができます。

では今回のケース、遺言書がなかったらどのような事態になっていたでしょう。

まず、夫婦でコツコツと貯めてきた預貯金が夫名義であれば、相続財産となりますので、勝手に手が付けれなくなります。

相続法の改正によって、当面必要となる葬儀費用くらいは単独で引き出すことができますが、預貯金の名義を変えたり解約するためには相続人全員の印鑑が必要になります。

また、夫の兄弟の居場所が分からず連絡が取れない場合や関係性が良くない場合、認知症が進んでいる場合などには、遺産分割がいつまでも進まないことになります。

更には、夫と築き上げた財産が第三者に渡ることの精神的負担も大きくなります。

このように遺言書があるのとないのとでは、相続手続きに大きな違いをもたらします。

ご自分の死後も大切な人を守るために、生前対策の一つとして是非、遺言書の活用をご検討ください。

遺言書の作成は、意思判断能力が低下したと診断された場合には、作成することができなくなります。

まだ、お元気なうちに余裕をもって準備することが重要です。

自筆証書遺言と公正証書遺言

では、ここで遺言の2つの形式、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の特徴を整理しておきます。

自筆証書遺言は自分で紙に書き記す遺言書です。基本的には全文を自書する必要がありますが、財産目録とよばれる財産の一覧表を添付する場合はパソコンやワープロの使用して財産目録を作成することが認められています。

最低限、紙とペン、印鑑があれば作成できますので、費用を安く済ませることができます。

ただし、正しく形式に沿って書かれていないと無効になる場合がありますので、作成には注意が必要です。

一方、公正証書遺言は遺言書を公正証書にしたもので、公証役場で作成します。

公証役場の公証人が書類を作成するので、公証役場に支払う手数料が発生しますが、より確実性の高い遺言書が作成できます。

以上、今回は「書いててよかった遺言書」と題して遺言書の重要性について解説しました。

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相続トラブルを防ぐ5つのこと

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今回は、「相続トラブルを防ぐ5つのこと」と題して、遺産相続での親族間のトラブルや困りごとを未然に防ぐ方法について解説します。

「自分には大した財産がないから、相続でもめることなんかない」と考えている方がいらっしゃれば要注意です。

統計によると、相続トラブルのほぼ半数は遺産が「5000万円以下」の場合に発生しています。

それでは、その方法について見ていきましょう。

誰が相続人かを知っておく

まず、しなければならないのは自分が亡くなったとき、あるいは親が亡くなったときに誰が相続権を持つのかを知っておくことです。

遺言書がない場合、遺産を引き継ぐ者は民法で規定されています。これを法定相続人と言います。

また、相続する人によって遺産の取り分(相続分)が変わりますし、相続税がかかる相続では相続人の数によって基礎控除額が変わってきますので、誰が相続人となるのかは、まず知っておかなければなりません。

注意しなければならないのは離婚歴や再婚歴がある方です。

前の配偶者との子どもは相続人になります。

会ったこともないからと、死亡の連絡をしないで行われた遺産分割協議は無効になります。

誰が相続人かという相続人の確定は、戸籍謄本を収集して行います。

どんな財産があるか知っておく

次に、どのような財産があるのかを知っておきましょう。

相続財産には現金や預貯金などの金融資産、土地や建物などの不動産、宝石などの動産に加えて、借金などの負の財産も含まれます。

自宅や土地は、毎年送られてくる固定資産税の通知書などを見て、いくらの評価額なのかを確認することができます。

また、借金は金融機関から借入れている場合もあれば、個人間での借金もあります。借用書などを確認しておきましょう。

負の財産がプラス財産を上回る場合は相続放棄を検討する必要が出て来ます。

生命保険についても、いくらの保険金が下りるのかを確認しておきましょう。

重要書類の保管場所を知っておく

相続手続きでは、預貯金の解約や不動産の名義変更などがありますが、通帳や印鑑、土地の権利証、保険証券などの保管場所は身内の者が把握していないと探すのが大変です。

必要なときにはすぐに取り出せるようにしておきましょう。

遺言書を作成する

遺産相続トラブルの原因で最も多いのは「遺産の分け方」に関してです。

財産内容が不動産に偏っていて、平等に分けることが困難な場合や、認知した子が相続人として突然現れて法定相続分を要求してくるような場合は、泣く泣く自宅を売却して現金を用意しないといけなくなることもあります。

そこで、遺産の承継先をあらかじめ指定しておいて、このような事態を未然に防ぐことのできるツールが「遺言書」です。

遺言書に「誰に」、「何を」、「いくら」渡すのかを明記しておけば、遺産分割ではそれが優先されます。

ただし、遺言書は認知症などで判断能力が低下してからは作成することはできません。

一度、作成してもその内容は後から変更することができますので判断能力がしっかりしているうちに、余裕をもって作成するようにしてください。

生前贈与をする

「相続トラブルを防ぐ5つのことの最後は「生前贈与」です。

亡き父親から遺産を相続したものの、相続税が高過ぎて払えず、納税資金のために先祖代々の土地を手放さなければならなくなったというケースも少なくありません。

そこで、生前贈与の利用によって財産総額を減らす相続税対策や納税資金対策が大変有効になります。

また、相続人に配偶者がいるときは配偶者控除、未成年者がいる場合は未成年者控除、生命保険金についての控除制度など各種の控除制度が設けられています。

これらの控除制度は知らなければ使うことができず、払わなくてもいい税金を払ってしまうことになりますので、相続に関する情報収集も積極的に行うようにしてください。

以上、今回は相続トラブルを防ぐ5つのことについて解説しました。

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家の相続で大変だったこと

みなさん、こんにちは。香川のマラソン行政書士の山岡です🎽

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今回は、家の相続を経験された方に伺った「家の相続で大変だったこと」です。

家の相続で大変だったこと

1家の名義変更37%
2相続の進め方26%
3親族間の人間関係23%
4税金の支払い18%
5家以外の名義変更16%
6行政書士や弁護士との関係6%
7そのほか1%
8大変なことはなかった33%

こちらは、家を相続したことのある人を対象に、何が大変だったかをアンケート調査した結果です。

1位は「家の名義変更」で約4割の方が大変だったと回答しています。

2位は、「相続の進め方」で26%。何から手を付けたらいいのか分からない場合や、相続人どうしの話し合いが進まないときには途方に暮れることもあります。

3位が「人間関係」、4位が「税金関係」、5位が「家以外の名義変更」となっています。

6位に「行政書士や弁護士との関係」がありますが、手続きを依頼した行政書士や弁護士の態度が高圧的だったり、途中経過の報告がなく、手続きがどこまで進んでいるのか分からないなどの不満や怒りが現れたものでしょう。

そして、「大変ではなかった」と回答した方は約3割で、実に7割の方が大変だったと感じられていることになります。

トラブル内容

さらに全体の2割の方においては、何らかのトラブルに遭っています。

そのトラブルの内容がこちらです。

遺産の分割額や取り分をめぐってもめた
実家の親と同居する兄が取り分の増額を要求してきた
相続人でない親族が口出しして、かき回された
相続人が話し合いにすら応じない
家を売却しようとしたが、その相続人から反対された
相続税の申告期限に間に合わず、追徴課税された
相続する不動産の名義が祖父のまま残っていて、手続きが複雑になった

トラブル内容で一番多いのが、「誰が」「何を」「いくらもらう」かという遺産分割に関するものになっています。

また、相続をきっかけにしてそれ以降、兄弟仲や親族関係が悪くなった方もいます。

トラブル回避策は?

では、どうすればこのようなトラブルにならず、良好な人間関係を保って相続手続きを進めることができるのか。

「やっておけば良かった」ことについてもお伺いしました。

1生前贈与29%
2遺言書の作成27%
3事前に相続財産を把握する25%
4相続人どうしの歩み寄り、妥協18%
5権利証などの重要書類の確認14%
6相続税対策11%
7相続税の申告期限を守る10%

1位が「生前贈与」、2位が「遺言書の作成」、3位が「事前にどのような財産があるのか把握するための調査」となっています。

こうして見ると、生前のきちんとした対策が、亡くなった後の無用なトラブルの回避策になったり、スムーズな相続手続きのための準備になることが分かります。

ご自分がコツコツと築き上げた財産によって、身内の者がもめてしまうことほど、悲しいことはありません。

しっかりと対策を行って頂ければと思います。

以上、今回は「家を相続して大変だったこと」について取り上げてみました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇‍♀️

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遺産の分け方と”もめやすい相続のパターン”

みなさん、こんにちは。香川のマラソン行政書士の山岡です🎽

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今回は、遺産の分け方ともめやすい相続のパターンについて解説します。

遺産の分け方

まずは、下記のようなお問い合わせから見ていきたいと思います。

『この度、父が遺言書を残して亡くなったのですが、内容を確認してみると財産の分け方としては、あまり最善とは言えず、親族一同、内容を少し変えることはできないのかと悩んでいます。父の生前の気持ちも尊重したいし・・・』

このように、せっかく遺言書があっても、遺言通りに遺産を分けると相続税が高くなってしまうなどの理由から、遺言に従わない遺産分割を希望される方もいらっしゃいます。

遺言書がある場合

遺産分割では、遺言書がある場合、遺言書の内容が最優先されますが、相続人全員の合意があれば、遺言内容に沿わない遺産分割をすることも可能です。

ただし、あくまで相続人全員の合意があってできることですので、一人でも遺言通りの遺産分割を望まれる方がいる場合は、遺言に沿った遺産分割をしなければなりません。

遺言書がない場合

遺言書がない場合は遺産分割協議による遺産分割が基本になります。

遺産分割協議とは相続人全員による遺産の分け方についての話し合いです。

話し合いですので、誰が何をいくらもらうのかについては自由に決めることができます。

「法定相続分」という言葉をご存知の方もいらっしゃると思いますが、法定相続分は民法で定められた遺産の分け方の目安で、どのような場合もこれに従って分けなければいけないというものではありません。

そして、相続人どうしの話し合いがまとまらない場合に利用するのが、家庭裁判所での「調停」や「審判」手続きになります。

調停も「話し合い」ですので、法的判断を仰ぐものではありませんが、これまで相続人だけで行われてきた遺産分割協議に第三者が入って調整を図ることになります。

審判になると、裁判官によって法的判断がされることになります。これまで長い間にわたってもめてきた遺産分割協議に終止符を打てる点では良いのですが、裁判官による判断に自分の意向を反映させることは難しくなります。

もめやすい相続のパターン

では、次にどのような相続のときにもめやすくなるのか、3パターンについて見ていきたいと思います。

2次相続があるとき

1番めは2次相続があるときです。

上の図のような家族がいた場合、父が亡くなったときの相続を1次相続、次に母が亡くなったときの相続を2次相続と言います。

父が亡くなった1次相続では母と長男、長女が相続人になりますが、兄弟仲が悪かった場合、母親が仲介役となって遺産分割の話をまとめることができます。

しかし、次に母が亡くなったときの2次相続においては、仲の良くない兄弟のみが相続人になるため、話し合いがなかなか前に進まないことがあります。

認知症が絡むとき

2番めは認知症が絡むときです。

父親が亡くなった後に母親が認知症になったとします。

そして、亡くなるまで長女が母親の介護や身の回りの世話をし、その費用については母親の預貯金口座から引き出していたような場合にトラブルが生じることがあります。

母の死後に長男が預金通帳を確認して、「どうしてこんなに財産が少ないのか、私には内緒で使い込んでいたのではないのか」と疑われることがあるからです。

このようなトラブルを避けるためには、帳簿をきちんと付けて管理する必要があります。

お金で分けられない場合

3番めはお金できちんと分けられない場合です。

相続でトラブルになるケースを遺産額から見た場合、遺産が5000万円前後の方が亡くなった場合が最も多くなっています。

上記図左のように遺産に現金・預金が4000万円と不動産が4000万円あるような場合は、きちんと分割することが容易で、あまりもめることはありません。

一方、図右のように不動産が4000万円あるのに対して、現金・預金が1000万円しかない遺産内容がアンバランスな場合は平等に分割することが難しく、トラブルにつながりやすくなります。

以上、今回は遺産の分け方ともめやすい相続のパターンについて解説しました。

どのようなパターンの相続でトラブルが発生しやすいのかを前もって知り、生前にしっかりとした対策を行うことが円満な相続とするためのポイントになります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇‍♀️

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生前贈与は遺産になる?

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特別受益とは

まずは、このようなお悩みです。

父が亡くなって、兄と私(妹)で遺産分割の話し合いをしています。兄は、父から生前に2000万円の自宅を贈与されています。しかし、そのことには全く触れず、父の遺産である3000万円の預貯金を2分の1ずつ分けようと言って来ています。生前贈与についてはなかったことになるでしょうか。私としては不平等感があります。

相続人の中に被相続人(亡くなった人)から生前贈与を受けた人がいる場合、法定相続分どおりに遺産を分けると不平等だとして遺産分割がまとまらない場合があります。

お悩みの場合でも、兄が父の生前に自宅の贈与を受けており、そのことについて何も考慮せず、遺産分割協議が進められると、妹さんが不平等感を感じるのも理解できます。

このように、特定の相続人が被相続人より特別に利益を得ていることを「特別受益」と言います。

特別受益がある場合、遺産にその特別受益分を持ち戻して遺産分割協議を行うことができます。これを「特別受益の持ち戻し」と言います。

特別受益の対象となるもの

特別受益には、全ての贈与が該当するわけではなく、対象になるものとならないものがあります。

特別受益に該当するものには、①遺贈、②婚姻、養子縁組のための贈与、③生計の資本としての贈与があります。

遺贈

「遺贈」は遺言によって財産を取得した場合で、この場合は全てが特別受益に該当します。

婚姻、養子縁組のための贈与

「婚姻、養子縁組のための贈与」は婚姻のときの持参金や支度金、花嫁道具などが該当します。

生計の資本としての贈与

「生計の資本としての贈与」には、不動産や住宅資金、営業資金の贈与があります。

また、遺産となる土地に相続人の1人が、被相続人の許可を得て建物を建てて、その土地を無償で使用している場合、「土地使用借権」の贈与があったとして、特別受益となる場合があります。

これに対し、被相続人の建物に無償で住んでいた場合でも、被相続人と同居していたときは特別受益にはなりません。

特別受益の対象とならないもの

特別受益とならないものには生命保険金や死亡退職金、一般に妥当と判断できる学費の援助などがあります。

「生命保険金」は相続人の1人が受取人となっている場合は、原則として特別受益にはなりません。ただし、保険金の受取人となっている相続人と他の相続人との間に著しい不公平が生じるときは特別受益と判断されます。

「学費」は社会通念上、妥当と判断できる金額の範囲であれば特別受益とはなりません。ただし、兄弟のうち1人だけ進学したとか、私立大学医学部のように特別高額な学費が援助された場合は特別受益になります。

以上、特別受益の対象となるもの、ならないものについて、いくつか取り上げましたが、これらは被相続人の資産や収入の状況、社会的地位なども加味され、個別具体的に判断されます。

特別受益の計算

それでは、「お悩み」にあった自宅の贈与が特別受益だとされた場合の遺産分割の計算について見ていきたいと思います。

自宅の生前贈与を考えず、3000万円の預貯金をそのまま分割した場合の取り分は、兄と妹とも1500万円となります。

特別受益の持ち戻しをした場合は、3000万円の預貯金に生前贈与の2000万円の自宅が加えられ、遺産総額は5000万円となります。

2分の1ずつ分けると、兄と妹の取り分は2500万円になります。

兄は生前に2000万円の自宅を贈与されているので、500万円を受け取り、妹は2500万円を受け取ることになり、不平等が解消されます。

なお、兄が父の生前、大変献身的に身の回りの世話をしてくれたので、それに見合う分の遺産を受け取らせたいとか、家業を引き継いでもらうために不動産を相続させる必要があるとか、兄には病気や心身に障がいがあるため生活保障のための贈与をしたなどの意向がある場合は、父が遺言に「生前贈与は持ち戻ししない」と記すことで、特別受益の持ち戻しを禁じることができます。

以上、今回は生前贈与は遺産になる?というテーマで、特別受益について解説しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇‍♀️

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身元保証問題とは

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身元保証人が求められる場面

近年では、親族間の結びつきが希薄になったり、子どものいない家庭や熟年離婚する夫婦が増えています。

そして、配偶者や親しい親族のいない一人暮らしをしている方、または子どもはいても関係性が良くなく、疎遠になっている方などが、身元保証を頼める人がおらず、介護施設にも入れないという問題が浮上しています。

身元保証人は実際、こんな場面で求められます。

老人ホームやサービス付き高齢者住宅等の施設への入所

有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの入所には、身元保証人を決めておかないと入所できない場合がほとんどです。

病気やけがでの入院

入院患者に万が一のことがあった時には病院から身元保証人に連絡をします。また、緊急時の医療判断についても身元保証人に確認が行われます。

本人死亡のとき

本人死亡の確認、その後の葬儀の手配は身元保証人が行います。

以上のような場面で、必要となる身元保証人ですが、生涯独身の方や離婚されている方や兄弟が亡くなっている方、子どもがいない夫婦で配偶者のどちらかが既に死亡している方などから身元保証人が見つからず困惑するケースが増加しています。

そこで、昨今では専門家による身元保証をサポートする動きも高まっていて、身元保証を代行する民間サービスも増えています。

身元保証人の仕事

では具体的に、身元保証人の仕事にはどのようなものがあるのか見ていきたいと思います。

老人ホームや施設への入所時

老人ホームや施設への入所時の仕事には運営懇談会への対応、薬剤師から受ける薬の報告、小口現金の補充、ケアマネージャーからのケアプランの確認、入院の手配や病院への付き添いや連絡、などがあります。

病院への入院時

病院への入院時の仕事には、入院手続きの代行、入院費用の支払い、医師との面談、手術の同意、終末期医療の方針確認、死亡確認、身元の引き取り、などがあります。

死後の事務

ご本人が亡くなってからの仕事には、葬儀の手配、納骨や霊園の手配、葬儀や供養・医療費の支払い、老人ホームなど入居していた部屋の片づけ、年金の受給停止の手続きや未支給年金受取りの手続き、などがあります。

このように、身元保証人の仕事は多岐にわたり、多くの責務を負うことになりますので、第三者に依頼する場合には、後々のトラブルを防ぐための準備が重要になります。

身元保証を始めるために必要となる契約

身元保証人になったからといって、すぐに依頼者に代わって入院費用を支払うなど、依頼者の財産を動かすことはできず、取り決め事項を定めた契約書を交わさなければなりません。

身元保証を始めるために必要となる契約には次のものがあります。

任意後見契約

認知症などによって本人の意思が低下したときに、身元保証人が後見人に就いて財産管理などができるようにします。

事務委任契約

入院の手続きや要介護認定の要請など、日々の契約関係処理を代行するためのものです。

財産管理契約

介護施設への支払いや、年金受領の手続きなどの財産管理を行うための契約です。

いざという時の意思表示

終末期医療や延命治療についてなど、本人の希望を宣言書にします。確実性を持たせるために公正証書で作成します。

公正証書遺言

本人が亡くなった後に、遺産をどのように分けるかを記しておきます。

死後事務委任契約

ご自分の葬儀の規模やスタイル、場所などについてやどこに埋葬するかなどの希望、誰に依頼するかなどを明記します。

ここにあげた契約は本人の意思がはっきりしているうちでないと交わすことができません。身元保証の依頼を検討されている方は、余裕をもって準備をしましょう。

身元保証サービスの選び方

近年、民間で身元保証を行うサービス会社や団体が増えてきました。

料金面だけをみて安易に決めてしまうと、後々トラブルになるケースもあります。

身元保証会社を選ぶ際には以下の点を留意して下さい。

契約内容が明確で公正証書で作成している

何も契約を交わさず、今すぐ身元保証人になれますという所は要注意です。

親切を装っているだけで、依頼したけど何もしてくれない可能性があります。

本人が希望するサービスを行うには、法律上有効な契約を交わす必要があります。

本人死亡後の手続きも行ってくれる

本人が亡くなった後の手続きについては契約の範囲外としている所が多いですが、葬儀の手配や医療費の清算、遺産相続など死後の手続きこそ多岐にわたり、専門性が高くなります。

そのため、採算が取れないという理由から、死後手続きを契約内容から外している場合があります。

死後事務にもきちんと対応しているサービス会社を選ぶようにしましょう。

遺産の一部の寄付を前提としていないこと

民間サービス会社のサービス料金が低料金である代わりに、本人が死亡した後に残った財産の一部や全部を会社へ寄付するようにと呼びかけるところがあります。

お世話になったからと、納得して寄付される方もいらっしゃいますが、身元保証会社としては不適正な報酬を得ることになり、金銭トラブルにつながる可能性もあります。

以上、今回は身元保証について解説しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇‍♀️

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