成年後見、欠格条項削除で差別解消促進

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成年後見、欠格条項削除で差別解消促進

今回は成年後見制度において、欠格条項を削除することで差別解消が促進されるというニュースの解説をします🙂

成年後見制度

認知症や知的障害によって物事を正しく判断する意思能力が十分でない方をサポートする制度が成年後見制度です。

この成年後見制度を巡り、この度、内閣府が全都道府県に対して、制度を利用することによって公務員や消防団員、社会教育指導員などの資格を失う「欠格条項」が条例や規則にある場合は、それを削除するように求めました。

欠格条項

欠格条項とは、例えば消防団員についてみると、各自治体が消防条例の中で、消防団員に任用しない者について規定しています。

そこには、1)身体障がい者、2)年齢18歳未満の者及び年齢55歳以上の者などと並んで、「成年被後見人」も消防団員に任用できないものとされています。

また、社会教育指導員にあっては社会教育指導員設置規則で「次に該当する者は指導員となることができない」とされ、「成年被後見人」が含まれています。

こうした、条例や規則にある「欠格条項」は成年後見制度の利用者を一律に制限するもので、人権侵害による差別との批判がありました。

多様な法令に基づく職種や資格、業務には、必要とされる能力も多様で、一律に制限できるものではありません。

また、成年後見制度利用者と利用していない者との判断能力を比較して、それが同等であったとしても、成年後見制度利用者のみが廃除されて、能力を発揮する機会が失われているのならば、大変不公平なことです。

こうした状況から、欠格条項の存在によって成年後見制度の利用が躊躇されていることも改善材料でした。

欠格条項削除の一括法

そこで、相次ぐ批判に対応して、本年6月に187本の法律から欠格条項を削除する一括法が成立し、この度、8月16日に内閣府が全都道府県に対して、条例や規則から欠格条項を削除するよう求めたことが分かったのです。

今回の内閣府の要請を待たず、先行して削除している自治体もあります。

また、欠格条項の削除にともない、それぞれの法律で、成年後見の利用者を一律に扱うことなく、職務に必要な能力の有無を面接などで個別に判断するなどとした規定が新たに設けられることになりました。

日本の認知症患者数は約460万人、65歳以上の高齢者の7人に1人と推計されています。

医療機関を受診して認知症と診断された人だけで、この数字ですから、症状は出ているのにまだ受信していない人も含めると、その数はさらに増えるでしょう。

うち、2018年現在において、成年後見制度の利用者は約22万人に過ぎません。

制度の利用を加速させるためにも、今回のこうした動きを国だけに留めることなく、自治体においても条例や規則の早急の点検を期待したいところです🙂

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇

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