おひとり高齢者の相続対策

超高齢化社会である日本は65歳以上の高齢者のうち、一人暮らしの男性は190万人、女性は400万人という統計があります。

高齢の女性は実に5人に1人が一人暮らしです。

一人暮らし高齢者を守る制度

身寄りのない高齢者の方々は、少なくともご自分が病気になったときや認知症になったときの不安を抱えていらっしゃいますが、現段階では残念ながらトータルにサポートする制度はなく、いろいろな制度を組み合わせて利用しなければなりません。

そこで、今回は一人暮らしのお年寄りが抱えるお悩み、心配事として、介護が必要になって施設などへ入るときの「身元保証」、認知症になったときに備えての「任意後見」、ご自分が亡くなった後のことに備える「死後事務委任」について見ていきたいと思います。

身元保証

まずは、「身元保証」についてです。

介護が必要になって施設へ入所するとき、または入院するときなどに身元保証人を求められることがあります。

身元保証人が行うのは施設への入所時には運営懇談会の対応や薬剤師からの薬の報告、小口の補充、ケアマネージャーからのケアプランの確認、入院の手配や病院への付き添いなどがあります。

また、病院への入院時には入院の手続き代行や頭金の支払い、医師との面談、手術の同意、終末期の方針確認などを行います。

身元保証を含めた高齢者の支援サービスを提供している民間サービス会社もありますが、契約書を交わすことなく依頼してしまったために、後になってからサービス内容や利用料金についてのトラブルが多く発生しています。

サービスを利用する前には、受けることのできるサービスの内容やどれだけの費用が必要なのかといった事をしっかりと確認しておきましょう。

任意後見制度

2つめは認知症になったときに備えてのサポートについてです。

将来、判断能力がなくなったときに備えて、財産の管理や各種手続きの代行をしてもらう方法として「任意後見制度」があります。

法定後見制度が本人の判断能力がなくなった際に、家庭裁判所が後見人を選ぶのに対して、任意後見制度は判断能力がしっかりしているうちに本人の意思で「任意後見人」を選んで、将来判断能力がなくなった際に頼みたい内容を契約で結んでおくものです。

任意後見制度は本人の判断能力が低下すると、一般には本人が亡くなるまで続きますので、長期間に渡って費用が発生することには留意しておく必要があります。

とくに専門職が後見人に就任する場合は、報酬が毎月発生します。

65歳以上の4人に1人が認知症になるとも言われています。

財産管理の方法には後見制度の他には、家族信託制度がありますので、メリットとデメリットをよく理解して利用するかどうかを判断してください。

死後事務委任

3つめはご自分がなくなった後に備えてのことです。

葬儀や埋葬、家財の整理など、死後のいろいろな手続きは「死後事務委任契約」によって第三者に頼んでおくことができます。

友人や知人にまかせるから大丈夫だと思っている方もいらっしゃいますが、火葬やお寺、お墓などに加えて、死後の手続きには法律が絡むこともありますので、専門家に依頼されることをお勧めします。

死後事務委任契約の内容

死後事務委任契約の内容は、当事者間で自由に決めることができます。具体的には以下のようなものがあります。

供養葬儀について

・死亡診断書の手配
・火葬許可証の手配
・葬儀社の手配
・葬儀供養の日程連絡
・納骨または埋葬

費用の支払いについて

・入院費用
・葬儀費用
・火葬費用
・埋葬費用
・光熱費、携帯電話料金

住居、遺品整理について

・住居や施設の家財処分
・明け渡しの確認
・修繕費やハウスクリーニング費用の確認
・電気、水道、ガス、新聞料金などの解約

財産の処分について

それから残した財産の処分についても考えておく必要があります。

相続財産管理人

身寄りのない方は、財産を相続する人がいませんので、財産は家庭裁判所によって選任される「相続財産管理人」が管理することになります。

しかし、相続財産管理人の申立てから財産を処分するまでの手続きは非常に煩雑で、時間もかかります。

そもそも身寄りがないのに誰が家庭裁判所に相続財産管理人の申立てをするのかという問題もありますし、申立てから選任までには数カ月もかかります。

相続財産管理人が選任されても不動産の処分などにはその都度、裁判所の許可が必要とされます。

生前にお世話になった方がいて、その方に財産を譲るとしても、関係を明らかにする資料の提出を求められたりと大変です。

相続人がいないことを確定するためには「相続人捜索の公告」という手続きも6か月以上の期間を定めて行わなければなりません。

最終的に残った財産は、国のものとなり、処分が完了しますが、この一連の手続きを終えるには、1年ほどの期間を要します。

遺言書作成のすすめ

このような事態を避けるためには、相続人がいなくても遺言書を作成しておくことをお勧めします。

遺言書は子や孫に財産を渡す場合だけに書くものではありません。

身寄りのない方でも生前にお世話になった方がいれば、その方に財産を渡す内容としたり、どこかの団体に寄付するなど、財産の処分方法を指定することができます。

そして、自分の書いた遺言内容を確実に実行するために「遺言執行者」を指定しておけば、死後の手続きをスムーズに行うことができます。

一人で生活して、何でも自分でしている方も、将来的にはできなくなる可能性があります。

安心して老後を楽しむためにもご自分の身辺整理について一度きちんと考えてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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