みなさん、こんにちは。香川のマラソン行政書士の山岡です🎽
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緊急時に残す危急時遺言
今回は「危急時遺言」について解説します。
遺言書については、相続人どうしの遺産争いを防ぎ、相続手続きをスムーズに済ませるための非常に有効なツールであることは多くの方が理解しているところだと思います。
しかし、「いつか書かなくてはいけない」と考えていても、作成の期限があるわけでもなく、何も手を付けずに、ただ年月が経過してしまうこともあります。
そのような中、不運にも病気や事故などに遭って、緊急事態となり、命の危険が迫る場合や、余命が幾ばくもない状態となることもあります。
このような状態で遺言書を作成しようとする場合、「自筆証書遺言」は全文の自書の要件があり、また「公正証書遺言」は作成に1か月以上の時間がかかるなどの時間的な制約が障害となり、これらをクリアできなければ遺言作成を断念しないといけません。
そこで、生命の危機が迫る緊急時でも作成できる遺言書として、特別に定められた方式で作成する遺言が「危急時遺言」です。
危急時遺言作成のながれ
危急時遺言作成のながれは次のようになります。
1 利害関係者にあたらない証人を3人以上準備します。
この証人には、未成年者、また推定相続人及び受遺者ならびにこれらの配偶者および直系家族、公証人の配偶者や4親等内の親族などはなる事ができません。
2 遺言者が口述して証人1人がこれを筆記し、遺言者と他の証人に読み聞かせまたは閲覧をします。
筆記した内容が、遺言者の話した趣旨と食い違いなく反映されているかを確認します。
病院で作成するときは、場合によっては個室や相談室などを借りるなどの配慮が必要です。
3 各証人は筆記の読み聞かせが正確なことを承認して、それぞれが署名し押印します。
4 証人の1人もしくは利害関係人が遺言の日から20日以内に作成した遺言書を提出し、家庭裁判所に対して内容や方式に不備がないことの確認を得ます。
家庭裁判所による確認は1~2か月ほどかかります。その後に確認ができたことの通知が家庭裁判所からあって、ようやく危急時遺言が完成となります。
このようなながれで作成される危急時遺言ですが、危急時遺言作成後に体調が回復して、普通方式の遺言書が作成できるようになった場合で、そのときから6ヵ月間生存したときは、作成した危急時遺言は無効になります。
体調回復後は公正証書遺言の作成を
この危急時遺言は、あくまで緊急時の対応として作成するものです。
そのため、体調回復した後6か月を経過すると遺言の効力を失います。
緊急時から脱したときには、公正証書遺言の作成に取り掛かるようにしてください。
危急時遺言の作成は、相続の専門家でもなかなか行う機会は少ないものです。
尚かつ、死に瀕している方の最後の言葉を聞き取って、文章に起こす作業も大変難易度の高いものとなります。
即座に対応できる人も限られますので、このような状況になる前に公正証書遺言や自筆証書遺言を作成するなど、しっかりと準備をしておくようにしましょう。
以上、今回は危急時遺言について解説しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇♀️
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