亡くなってないのに相続とは?

みなさん、こんにちは。香川のマラソン行政書士の山岡です🎽

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家督相続とは

相続とは、一般に誰かが亡くなってからその手続きが始まるものと解されていますが、亡くなる前に相続することがあります。

それが「家督相続」です。

これは戦後の昭和22年5月3日に日本国憲法が施行されると同時に民法の変更がされるまでに用いられていた制度です。

「そんな昔の話をされても私には関係ない」とおっしゃる方も多いのではないかと思いますが、今の時代にもこの制度を用いた相続手続きが必要になることがあります。

例えば、山林や田畑をお持ちの方は、ひいひいお爺さんの代から登記名義が変更されていない場合があります。

登記名義が変更されていないとなると、売却もできませんし、最悪は相続人の数が膨れ上がって手が付けられなくなってしまいます。

そして、農業の担い手も居なくなると、社会問題となっている所有者不明の土地として残ることになります。

先祖代々の土地が、何の手続きもせずに放置されて、手付かずの土地となってしまうのは何とも悲しいことです。

そこで、相続による所有者変更の登記が重要になりますが、所有者が戦前の方になっている場合の手続きに用いられるのが家督相続制度です。

では家督相続制度とはどのようなものなのか、見ていきたいと思います。

現行の相続制度

現行の相続制度では、相続は人が死亡したことによって生じるものとされています。

そして、誰が相続人になるかによって遺産の取り分(相続分)が変わります。

例えば、夫が亡くなってその相続人が妻と2人の子どもの場合だと、妻が遺産の2分の1、子どもがそれぞれ4分の1ずつを取得することになります。

また、相続人が妻と亡くなった夫の両親の場合だと、妻が遺産の3分の2を取得して、両親は残りの3分の1を分け合うことになります。

戦前の家督相続制度

ところが戦前の相続制度においては、相続の発生する時期が人の死亡だけでなく、生きている間にすることが可能でした。

それが「家督相続」と呼ばれるものです。

具体的には明治31年から昭和22年5月3日の日本国憲法の施行までにされていた制度で、基本として家の長男がその家にある全ての財産を受け継ぐものです。

そして、家督相続が開始するケースとして、戸主(その家のリーダー)が死亡したときのほかに、「隠居」や「日本国籍の喪失」などがありました。

「隠居」とは分かりやすく言うと、会社組織で高齢となった社長が後継者に跡を継がせるようなものです。

亡くなっていないのに、相続が開始されていたわけです。

この制度を理解していないと、ひいひいお爺さんの土地を名義変更しようとする際に大失敗をしてしまいます。

上記イラストをご覧ください。被相続人の源さんはキンさんと婚姻し、長男に太郎さんがいます。そしてキンさんと離婚後にトメさんと再婚しています。現行の相続制度では被相続人の源さんの相続人は前妻のキンさんとの子の「太郎さん」と後妻の「トメさん」です。

そして、太郎さんとトメさんも亡くなり、相続手続きがされないまま放置されると、相続人の数が膨れ上がり、亡くなった全ての人の戸籍を揃えなくてはいけません。

さらには、これまで全く面識のない人と遺産分割協議をしなければならず、行方が分からなかったり、協議に応じてもらえない場合は、遺産に手が付けれなくなってしまいます。

では、家督相続があった場合はどうなるでしょう。

源さんから太郎さんに家督相続した場合、太郎さんが全ての財産を受け継ぐことになりますので、後妻のトメさんは相続人になりません。

ここが、現行の相続制度と大きく異なる点です。

なぜ家督相続は廃止されたのか

戦後、新しい日本国憲法では個人の権利が重視されることになりました。

そのため、長男が全ての財産を単独相続するような不平等な制度は憲法の主旨に反するとして家督相続制度は廃止されました。

しかし、家督相続制度が廃止されたからと言って、現代においてその制度が全く適用されないと言うわけではありません。

それは、被相続人が亡くなった時点の相続制度が適用されるからです。

家督相続制度は昭和22年5月2日まで運用されていましたので、それ以前に亡くなった方の遺産相続がされていない場合は、家督相続がされていないかどうかを戸籍をよく確認するようにしてください。

家督相続があった場合の戸籍には「昭和〇〇年〇月〇日前戸主〇〇〇〇死亡ニ因り家督相続届出同月〇日受附」とか 「昭和〇〇年〇月〇日前戸主〇〇〇〇隠居ニ因り家督相続届出同月〇日受附」 と記載がされています。

この確認を怠ったり、家督相続制度のことを知らないと、膨大な量の戸籍を集めてしまうことになりますので注意しましょう。

以上、今回は戦前の相続制度であった家督相続について解説しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇‍♀️

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