相続手続きを進める中で、
「この建物、登記されていませんね」
と役所や専門家から言われて戸惑う方は少なくありません。
実は、未登記家屋は地方を中心に非常に多く、
相続の場面で思わぬトラブルや手続きの遅れにつながることがあります。
この記事では、
未登記家屋とは何か、
相続手続きで何が問題になるのか、
どう対応すればよいのかを分かりやすく解説します。
Contents
未登記家屋とは何か
未登記家屋とは、
法務局の建物登記簿に登録されていない建物のことをいいます。
代表的な例は次のような建物です。
- 昭和の時代に建てられた古い住宅
- 増築や離れ部分だけ登記されていない建物
- 農家住宅や倉庫、物置
- 建築後に登記をしないまま放置されている建物
建物は完成後1か月以内に登記する義務がありますが、
実際には登記されないまま何十年も経過しているケースが多く見られます。
相続で未登記家屋が問題になる理由
未登記家屋があると、相続手続きで次のような問題が生じます。
① 名義変更ができない
未登記家屋は、そもそも登記簿が存在しません。
そのため、通常の相続登記(名義変更)ができません。
② 相続財産として見落とされやすい
預貯金や土地は把握していても、
未登記家屋は「相続財産」という認識がなく、
遺産分割協議から漏れてしまうことがあります。
③ 売却や建て替えができない
将来、建物を売却したり、
解体・建て替えをしようとした際に、
未登記であることが大きな支障になります。
未登記家屋も相続財産になります
重要なポイントとして、
未登記家屋であっても相続財産に含まれます。
登記がない=財産ではない
というわけではありません。
固定資産税が課税されている建物は、
原則として相続財産と考えます。
市町村役場で取得できる
固定資産課税台帳や名寄帳を確認することで、
未登記家屋の存在が分かることもあります。
未登記家屋の相続手続きの流れ
一般的な流れは次のとおりです。
① 未登記家屋の有無を確認
固定資産税の課税明細書や名寄帳を確認し、
未登記の建物がないかをチェックします。
② 相続人全員で遺産分割協議
未登記家屋についても、
「誰が相続するのか」を明確に決めます。
遺産分割協議書には、
建物の所在地・種類・構造・床面積などを記載します。
③ 建物表題登記を行う
未登記家屋は、
まず建物表題登記を行う必要があります。
この手続きは、
土地家屋調査士が関与することが一般的です。
④ 相続登記(保存登記)
表題登記が完了した後、
相続による所有権保存登記を行います。
専門家に相談した方がよいケース
次のような場合は、
早めに専門家へ相談することをおすすめします。
- 建物が古く、資料がほとんど残っていない
- 増築や改築を繰り返している
- 相続人が複数いて話し合いが難しい
- 将来、売却や建て替えを予定している
未登記家屋の相続は、
行政書士・土地家屋調査士・司法書士が連携することで、
スムーズに進むケースが多いです。
まとめ:未登記家屋は放置しないことが大切
未登記家屋は、
相続が発生して初めて問題に気付くことがほとんどです。
しかし、
放置すると手続きが複雑になり、
時間も費用も余計にかかってしまいます。
「もしかして未登記かもしれない」
そう感じたら、早めに確認・相談することが、
円満でスムーズな相続につながります。